バイオ分解式トイレ ペルー観光地に設置
日刊工業新聞2014年8月5日掲載
ミカサ 大分市、三笠大志社長、097・551・8826は、ペルーにバイオ分解式トイレ「バイオミカレット®」を2014年末に輸出する。双葉インターナショナル(東京都中央区)と連携して国の政府開発援助(ODA)事業を受注。
15年1月にペルーのパラカス国立自然保護区など観光地6カ所に合計16台を設置する。ミカサが海外に製品を輸出するのは初めて。今回設置するトイレは屋外仕様で様式個室トイレが2室。大きさは幅1900ミリ×奥行き2050ミリ×高さ2380ミリメートル。重量850キログラム。トイレ下部には排せつ物を微生物で分解処理する処理槽がある。
また、山間部など商用電源がない地域でも使用できるよう、1日当たり発電能力約500ワットの太陽光発電装置を搭載する。ペルーはインカ帝国時代の遺跡群が残る「クスコ市街」、「ナスカの地上絵」など合計11カ所の世界遺産がある。だが観光客が多く訪れる一方で、環境に配慮した技術による衛生環境の改善、充実が求められている。
同様の開発ニーズは「南米やアフリカ、東南アジア諸国の発展途上国にもあり、日本の衛生環境製品の需要はある」(三笠社長)という。ただ、日本製品をそのまま輸出するのでは現地価格と折り合わない。
そこで、国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援事業などを通じて「今後現地仕様の製品開発を目指し、現地生産、普及できる態勢を整えたい」(同)としている。ミカサはバイオ分解式トイレメーカー。14年に6月期売上高は約1億2000万円。