令和6年度 日ASEAN中高教員交流事業に登壇。(株)ミカサのバイオトイレ、ASEAN教員からも高い関心
2024年11月10日~17日にかけて、独立行政法人国際交流基金(JF)主催、一般財団法人日本国際協力センター(JICE)企画・運営による「令和6年度 日ASEAN中高教員交流事業」が開催されました。
本事業は、今年度より開始されたもので、ASEAN各国の中等教育機関の学校長や教員等を日本に招へいし、講義や教育関係者との交流・視察、文化体験等の機会を提供することで、将来の日本のパートナーとなるASEANの若者層の対日理解の促進を目的としています。
14日には、大分県iichiko総合文化センター中会議室2にて、弊社代表取締役 三笠大志による講演を開催させていただきました。ASEAN諸国9カ国(シンガポール、ミャンマーを除く)からご参加いただいた中高教振興局の先生方など27名の皆様に、熱心に耳を傾けていただきました。
目次
(株)ミカサが行うトイレ事業説明 ~バイオトイレの特徴と可能性~
今回、下水道設備が無い場所でも衛生的な環境を実現する、弊社開発のバイオトイレについてお話させていただきました。
講演は、まずミカサの企業概要紹介からスタート。中小企業ならではの地域密着の姿勢、そして3つの事業柱(自己処理型トイレ事業、レンタルボックス事業、不動産事業)についてご説明させていただきました。
燃焼式トイレからバイオトイレへ
自己処理型トイレの必要性、そして弊社が最初に開発した燃焼式トイレの導入事例として、富士山の山小屋におけるトイレ問題解決への貢献についてご紹介させていただきました。世界遺産登録を阻んでいた「し尿処理」という大きな課題を解決に導いた実績は、ご参加の皆様に強い印象を与えたようでした。
焼却による比較的多いCO₂の排出など、時代の流れにより新たな課題が増えてきました。そこで弊社では、2005年より微生物の力で排泄物を水と少量の二酸化炭素に分解する、環境に優しいバイオトイレの開発へと舵を切ったという経緯をお話ししました。
バイオトイレの3つのメリットと導入事例の紹介
バイオトイレの仕組み、汲み取り不要・悪臭なし・水不要という3つの大きなメリットを説明した後、2021年に世界遺産登録された奄美大島の金作原原生林へ導入した事例を紹介しました。
この金作原の導入事例は、水も電気もないという厳しいインフラ条件下でも、太陽光発電システムを活用することでバイオトイレが快適なトイレ環境を提供できるという点に、多くの先生方に関心をいただきました。
活発な質疑応答:コスト面と途上国での可能性
講演後の質疑応答も活発に行われました。カンボジアからのご参加の先生は、自国の学校トイレの現状を説明され、バイオトイレ導入におけるコスト面についてご質問いただきました。
水洗トイレの設置と比較した場合、バイオトイレは初期費用は高額になるものの、ランニングコストや水資源の節約、メンテナンスの容易さなどを考慮すると、長期的には経済的で環境負荷も少ないことを丁寧に説明させていただきました。
さらに、途上国への導入促進のためには現地生産が不可欠であり、ライセンス供与による事業展開も視野に入れていることをお伝えいたしました。
他のご参加の先生方からも、メンテナンス費用や具体的な導入手順など、実用的なご質問を数多くいただき、大変盛況な講演となりました。
田ノ浦工場視察
講演後は、皆様にバスへご乗車いただき、ミカサの田ノ浦工場へご案内させていただきました。
実際のバイオトイレの製造工程や製品をご見学いただき、皆様興味津々の様子で説明に聞き入っていただいておりました。製造過程における工夫や品質管理へのこだわり、そして製品の耐久性や安全性について、熱心に質問していただきました。
視察後には、各国からの参加者の皆様から、サプライズで自国のお土産をプレゼントしていただき、大変感激いたしました。
未来を見据えた取り組み:バイオトイレで世界貢献
今回の交流事業は、単なる技術紹介に留まらず、参加者同士の活発な意見交換や文化交流の貴重な場となりました。実際に意見交換をしてみて、弊社のバイオトイレはこれから世界をリードしていくであろうASEAN諸国における、衛生的なトイレ設備として有益な選択肢になり得るのではと感じることができました。
今回のような取り組みがアジアの発展につながり、ひいては世界のトイレ環境改善に貢献するきっかけになると実感しました。弊社では今後もこういった国際事業への協力を積極的に行い、世界に向けてより良いトイレシステムの開発を続けてまいります。