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富士山の環境保護に貢献

毎日新聞 2013年11月13日掲載

富士山毎日新聞_R

大分市のミカサ 登山者のし尿問題を解決

世界文化遺産の登録を受け、名実ともに「日本の顔」となった富士山。
しかし、1990年代前半には登山者のし尿が山小屋からの垂れ流しで問題となり、汚染された斜面は「白い川」と呼ばjれた。富士山が世界遺産登録を断念した一因ともなったが、問題解決の一助となったのが、大分市のトイレメーカーの製品だった。

従業員9人の会社は富士山での実績をステップに、世界各地の自然環境保護への貢献を視野に入れている。 「開発の素人だったから挑戦で来た。日本一の山で役に立つことができてうれしい」大分市高城西町のトイレメーカー「ミカサ」の三笠髙志社長(64)は振り返った。

創業は1989年。トイレの製造・販売などを手がける年商約1億2000万円の中小企業だ。もともとゼネコンを相手に建設現場の備品やくみ取りトイレなどをレンタルしていた。しかし、「オリジナル商品を持とう」と一念発起。し尿を高温で燃焼し、少量の灰にする燃焼処理型のトイレを開発した。

くみ取り不要で、臭いもしないという画期的な商品で、特許も取得。評判は広まり、国内だけでなく、97年には南極の昭和基地にも納入するまでになった。「越冬隊の女性隊員がすごく喜んでいると聞いてうれしかったよ」。三笠社長は笑顔で語る。

今後は「途上国でも役立つ商品を」

富士山の山小屋では2000年代前半から、国や県などの補助金制度を利用し、自己処理型のトイレの納入を始めたが、山小屋約40軒のうちミカサの燃焼式トイレを使用しているのは13軒に上る。

更に、山梨県側の登山道、吉田ルート6合目の公衆トイレでもミカサの燃焼式トイレが毎年、山登りシーズンになると設置されている。山梨県の担当者は「全国的に調査したが、処理能力など需要を満たすのはミカサの製品だけだった。今後も使用し続けていきたい」と評価する。

2005年には、二層式することで水分の蒸発を促し、においを抑えた独自のバイオトイレも開発し、より環境に優しい製品として現在の主力商品に据えている。

環境意識が高まる中、三笠社長の長男で専務の大志さん(34)は「水の使えない地域は多く、途上国などまだまだ市場のニーズはある。災害時にも活躍できる役に立つ商品を作っていきたい」と語った。


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