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バイオトイレの「臭い(Oder)」との関わり分析

バイオトイレ「バイオミカレット®」は適切な利用ができていない場合(例:処理能力を超えた使用etc)、悪臭が発生することがあります。

そこで、この悪臭を抑制し、より快適なバイオトイレ開発のきっかけをつかみたいと考え、京都大学大学院の原田准教授の協力の下、弊社レンタルバイオトイレの分析を行い、どういう要素がバイオトイレの「臭い(悪臭)」と関わりが深いのか分析してみました。

弊社ではレンタルしたバイオトイレが返却された後、メンテナンス報告書に従ってバイオトイレの機器状態の動作チェック、故障・破損が無いかの確認、また杉チップの状態チェック、臭いのチェックを毎回行っております。そしてその結果をメンテナンス報告書にまとめ、毎回記録をしております。

バイオトイレ_メンテ報告書

そこで今回、京都大学大学院の原田准教授の協力の下、弊社バイオトイレのメンテナンス報告書385件分を基本データとし、どういう要素がバイオトイレの「臭い(Oder)」と関わりが深いのかを分析してみました。

どういう要素がバイオトイレの「臭い(Oder)」と関わりが深いのか

以下が分析データの項目です。

  • 型式/ToiletType
    →バイオミカレット®の型式です。6機種。
  • レンタル期間(月)/EachDuration
    →バイオトイレを1つの現場でレンタルした期間
  • 使用回数/UseNo
    →レンタル期間中にバイオトイレを使用した回数。
  • チップ色(1-5)/Color
    →レンタル返却時の杉チップの色。5が最も色が濃く、黒に近くなる。
  • 処理槽水分(1-10)/Water
    →レンタル返却時の処理槽内の水分量。10が最も水分量多い。
  • 臭い(1-5)/Odor
    →レンタル返却時のトイレ室内の臭い。5が最も悪臭が強い。
  • チップ状態(1-4)/Conditions
    →杉チップの形状。4は粘土のような状態
  • チップ累計使用期間(月)/TotalChipDuration
    →杉チップを累計何ヶ月利用したか。1つの現場のレンタル期間とは限らない。
  • チップ入替有無/ChipReplace
    →杉チップを入替えたかどうか

これらデータ項目を全機種毎に単純集計し、相関行列を算出しました。以下【表1】、【表2】は例としてBM30-Ⅰ型を載せております。

【表1】BM30-Ⅰ 単純集計

【表1】BM30-Ⅰ_バイオトイレ_単純集計

【表2】BM30-Ⅰ 相関行列

【表2】BM30-Ⅰ_バイオトイレ_相関行列

相関行列を見ると、BM30-Ⅰ型の場合「臭い(Oder)」と関わりが強いのは、「色(Color)」と「水分(Water)」であると見て取れます。

相関を確認後、ランダムフォレスト分析を実施

臭い(Oder)に対してどの項目がより影響を与えているかを調査。以下のような結論となりました。

【表3】各データ項目が「臭い(Oder)」の増減に影響している程度

【表3】BM30-Ⅰ_バイオトイレ_各データ項目が「臭い(Oder)」ランダムフォレスト分析

これら分析より以下のような結論を得ることができました。

  • 臭気に影響を与えたのは、主には使用回数と水分。
  • 技術的にコントロールできる水分を適切にコントロールすることは、臭気のコントロールに重要。
  • 使用回数は強い影響がある。チップへのアンモニア成分の蓄積なども関係している可能性がある。

この分析結果とその他のバイオトイレ関連データを分析することで、バイオトイレ自体が自動で処理槽内の水分管理をするといった「AI搭載バイオトイレ」の実現に向け努力
していきたいと考えております。

このような分析も原田先生にお手伝いいただきながら、今後のバイオトイレ改善・開発のヒントにしていきたいと思います。

株式会社ミカサは、京都大学大学院准教授 原田先生と連携し、バイオトイレに関する研究を進めています。

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
https://www.africa.asafas.kyoto-u.ac.jp/harada-hidenori/


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