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京都大学大学院 原田英典准教授と㈱ミカサがバイオトイレの技術開発に向け連携開始

2020年2月4日、弊社(株式会社ミカサ)の代表取締役である三笠大志は、京都府の京都大学大学院内にある「地球環境学堂」に在籍する(当時)、原田英典准教授を訪ねました。

バイオトイレのミカサ_京都大学正門

原田准教授との出会い

バイオトイレのミカサ_京都大学原田教授との対談1

原田准教授との出会いのきっかけは、2018年3月に弊社のバイオトイレ製品の技術顧問である、「岡城技術士事務所」の岡城孝雄先生から「京都大学の先生で、開発途上国のトイレ環境を研究している方がいて、コンポストトイレを用いた研究もされている」ということでご紹介いただいたのがご縁のはじまりでした。

このころ、弊社はちょうどJICAの支援事業として、アフリカのカメルーンへバイオトイレ(バイオミカレット)を設置し終え、今後どうカメルーンでバイオトイレ事業を展開していくかを考えていたときでした。

バイオトイレのミカサ_カメルーンの街

原田准教授には上述のJICA事業において、「カメルーン共和国」というアフリカの地で、バイオトイレ事業を展開しようとした弊社のチャレンジに対して関心を寄せてくださっていました。特にカメルーンでのバイオトイレの展開手法として当時、現地にたくさん建設されていた売店の「KIOSK(キオスク)」を活用するという手法には大変興味を持っていただきました。

この時、原田准教授には初めてお会いしましたが、お互いに開発途上国でトイレ事業を展開しており、その苦労やチャレンジ精神にお互い共感することができたと思います。

バイオトイレのミカサ_ミカサのバイオトイレが世界を渡る_バナー

そして今回、弊社のバイオトイレ製品の現状の課題や改善点を「研究者」としての目線で、助言やアドバイスをいただきたいということで、お会いすることになったのです。

原田准教授は開発途上国のトイレ環境・公衆衛生の研究者

バイオトイレのミカサ_京都大学原田教授との対談2

原田准教授は、京都大学大学院で環境衛生工学や地球環境学について学ぶ学生たちへの教育をはじめ開発途上国において、衛生のもっとも基本的な要素であるトイレ問題をはじめ、し尿と汚水の適正な処理・管理についてや、尿由来の下痢症のリスク管理などを大きな研究テーマとされています。

また2020年4月からは同大学大学院の「アジア・アフリカ地域研究研究科」の准教授も務められている方です。

原田准教授のように開発途上国に特化したトイレ環境の研究をされている方は国内でもめずらしく、これまでのさまざまな研究や活動に関する論文は国内外から高い評価を受けています。

原田英典准教授 プロフィール

https://www.africa.asafas.kyoto-u.ac.jp/harada-hidenori/

■ビル・ゲイツも賞賛した研究実績

原田准教授の研究開発実積のなかには、あの「Microsoft(マイクロソフト)」の共同創立者である「ビル・ゲイツ」が創設した【ビル&メリンダ・ゲイツ財団】の「Grand Challenges Explorations(GCE)」 にも採択されています。

Grand Challenges Explorations(GCE)_バナー

GCEとは、開発途上国の課題に対して、革新的な技術について模索している研究者を支援するというもの。世界中の研究者から寄せられた約50の研究内容が選ばれ、そのなかのひとつに原田准教授の研究プロジェクトも選ばれています。

京都大学 ホームページより

研究の原点は、開発途上国で暮らした実体験から

原田准教授が開発途上国のトイレ環境を研究するきっかけは、大学院修士1年のときにNGOのトイレ普及活動で訪れた、ベトナム最貧困集落での生活した経験があったからだそうです。

その集落は電気やガス、水道はもちろんトイレもない環境で、村で暮らす人々は野外で排泄をおこなうなど、日常生活をおくるうえで衛生面もよくない状態であったといいます。

日本とはくらべものにならないような劣悪な衛生環境もあり、栄養失調や下痢を起こす人や乳幼児死亡率の死亡率も高く、原田准教授は日本の衛生環境の基準では考えられないほど厳しい状況を目の当たりにしたそうです。

そして5ヶ月間の滞在期間中のある日、一緒に生活していたベトナム人のお子さんが亡くなるという悲しい出来事が起こります。そのとき原田准教授は「もしかしたらこの劣悪な衛生環境が原因のひとつだったのではないか」と思い、研究者として開発途上国の衛生問題に取り組むことを決意した、といいます。

■開発途上国のトイレの現状と課題

開発途上国(おもに南アジアやアフリカ)の衛生環境やトイレに関する状況は、原田准教授がベトナムの最貧困集落での活動から18年がたった現在、下水道の整備やトイレの設置などがすすみ年々改善しているそうです。

ただ原田准教授のように開発途上国の衛生やトイレ環境を整備するために、自身のさまざまな研究や取り組みを取り入れたことで環境は整ってきてはいるものの、まだまだ国によっては、サニテーション(汚いものを身の回りからのぞいたり、処分すること)の価値や重要性を見いだせていないという課題があるといいます。

原田准教授の研究はミカサの製品や事業における価値の高いヒントに

京都大_ミニセミナーの様子
(2020年2月4日 京都大学大学院でのミニセミナーの様子)

原田准教授が開発途上国の水や衛生問題に関連する多くの研究のなかのひとつに、コンポストトイレ(バイオトイレ)に関する研究も過去に実施した経験があるそうです。

そこで弊社では、原田先生がお持ちの学術的分析データ・知見を活用させていただきながら、弊社の主力製品であるバイオトイレ(バイオミカレット)の現状の課題解決はもちろん、設置後のアフターフォローの在り方や処理方式の新技術等々、様々なヒントを得ていければと考えております。

これからも原田准教授との取り組みについては、情報発信してきたいと思いますのでご期待下さい!


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